麻酔・集中治療科
診療案内
診療内容・診療方針
ペインクリニックでは、治療の難しい各種の痛み(がん性痛、帯状疱疹痛、頭痛、腰痛など)の治療を行っています。また、四肢血流障害(ビュルガー病、閉塞性動脈硬化症など)、突発性難聴、顔面神経麻痺、脳梗塞などには神経ブロックと高気圧酸素療法を併用して効果をあげています。
また、手術を受ける患者さんの安全管理を重視し、手術前の全身状態の診察を行うとともに、麻酔法の説明を行っています。ご高齢の方々やお子さまにも安心して手術をうけられるような体制を整えています。
主な対象疾患
各種の痛み
がんの痛み、帯状疱疹の痛み、三叉神経痛、肋間神経痛、手足の血行障害による痛み、腰痛、頭痛、顔面痛など
四肢の血行障害
閉塞性動脈硬化症、ビュルガー病、レイノー病
その他
顔面神経麻痺、顔面けいれん、眼瞼けいれん、突発性難聴、手の多汗症、ガス中毒、減圧症
術前診察
手術を受ける患者さんの診察と検査成績の評価
得意とする分野
難治性痛は、名前のとおり、単一の治療で症状を消失させることが困難な病状です。しかし、作用機序の異なる治療法を組み合わせることにより、症状を軽くすることは、多くの症例で可能になってきています。
当科を受診する慢性動脈閉塞性疾患の患者さんは内科的な治療では良くならなかった方々や、血管外科での治療ができない方々ですので、病状の進行した手足を切断せざるを得なくなくなることは少なくありません。しかし、神経ブロックや高気圧酸素治療などを施すことにより、切断を回避したり、切断部分を最小限に留めたりすることが可能になっています。
主な疾患の診療実績
代表的インターベンション内訳(2022年度)
治療法名 | のべ件数(例) |
---|---|
ボツリヌス毒素 | 47 |
腰椎後枝内側枝神経ブロック | 48 |
おとがい神経ブロック | 42 |
眼窩下神経ブロック | 26 |
下顎神経ブロック | 8 |
*神経ブロックは、高周波熱凝固法や神経破壊薬使用のもののみ呈示しました。
専門外来・特殊外来
神経ブロック専門外来
神経ブロックの専門外来では、局所麻酔薬を使用した通常の神経ブロックに加えて、高周波熱凝固法をもちいた神経ブロックも得意としております。高周波熱凝固法とは、機器を使用して神経ブロックの効果を長期間持続させる低侵襲な神経ブロック法です。当科で多く行われている神経ブロックには以下のものがあります。
三叉神経ブロック:
三叉神経痛や顔面頭頸部の帯状疱疹痛・がん性痛などに用いられます。痛みの部位に応じて、外来でできる眼窩下神経ブロックから入院しておこなうガッセル神経節ブロックなどがあります。
脊髄神経後枝内側枝ブロック(ファセット・リゾトミー):
椎間関節症や傍脊椎周辺に圧痛の強い腰痛などに用いられます。
腰部交感神経節ブロック:
下肢血流障害、特殊な腰下肢痛などに用いられます。神経破壊薬(フェノールなど)を用いることもあります。
神経ブロックを安全・正確におこなうために、最新のCT透視ガイド、超音波ガイドまたはX線透視を用いることがあります。
神経ブロックの適応は、患者さんの病態や要望に基づいて、当科の医師による十分な診察・協議の上で決定いたします。そのため、初診時にすぐさま神経ブロック行わない場合があることを十分にご理解ください。また入院が必要な患者さんの負担が大きいブロックに関しては当科関連施設と連携しながら施行することもございます。
なお、ご紹介される先生方におかれましては、症例によって事前にご相談される場合には、担当・三枝、廣木までお願いいたします。
CRPS(complex regional pain syndrome 複合性局所疼痛症候群)
外傷や手術の傷が治癒した後も痛みやしびれが遷延する症状で、神経損傷が明らかでないものをCRPSーtype I、明らかなものをCRPSーtype II (カウザルギー)があります。CRPSの多くは局所の灼熱痛、感覚過敏、アロディニア、浮腫、皮膚血流の変化、発汗異常、皮膚・関節・筋肉の栄養障害などを伴います。病態として交感神経依存型と交感神経非依存型に分けられますが、慢性期になるといかなる治療にも抵抗を示すので、本症が疑われた場合には早期の十分な治療が重要です。
交感神経ブロックは、交感神経依存性痛 (sympathetically maintained pain: SMP) の場合に適応となることがあります。痛みの軽減、損傷された組織・神経の微小循環改善効果による治癒促進を目的として行います。
片側顔面けいれん・両側眼瞼けいれん
片側の顔面筋が不随意に収縮することにより、顔面がピクピクしたり、片眼が閉眼してしまったりするものを片側顔面けいれんと言います。両側性に眼輪筋が不随意に収縮して閉眼するものは両側眼瞼けいれんと呼びます。原因としては、顔面神経根部での血管による圧迫、腫瘍などがあり、画像検索(CT、MRI)が必要です。
画像に異常のある人は手術療法の適応を検討します。手術以外の治療を希望する場合には、ボツリヌス毒素Aの局所注射療法を試みます。本剤は患者さんを登録してから発注しますので、2週間後に予定を組んで治療することになります。
がん性痛
進行がんの7割に痛みがあり、その半数では2カ所以上に痛みが起こります。また、がんの進行に伴い全身的な苦痛を合併することも多くなります。当科では、がんの痛みに対して、他科と協力し、チームとして治療に当たっています。
モルヒネなどの麻薬による副作用が強い患者さんでは、脊髄近くのくも膜下または硬膜外に直接、オピオイドや局所麻酔薬を投与します。この方法では、悪心や便秘などの全身的副作用は少ない利点があります。痛みの部位が限局している場合は神経破壊薬を使用する神経ブロック療法の適応となります。
四肢血行障害
手足の動脈が細くなり血液の巡りが悪くなる四肢血行障害では、病状進行とともに間欠性跛行(時々休まないとふくろはぎや足が痛くて歩けなくこと)や安静時痛を伴うようになります。さらに進行すると指先の色が悪くなり、潰瘍やミイラ化が起こります。喫煙は増悪因子なので禁煙が必要です。また、糖尿病あるいは脂質代謝異常などの合併がある場合にはそれらの治療を併せて行う必要があります。
当科では末梢血管の血行障害に対して、鎮痛と血行改善を目的とした神経ブロック療法を行っています。また、高気圧酸素治療など一般の医療機関では施行できない高度な治療も行っています。
医師紹介
氏名 | 職名 | 専門分野・資格 |
---|---|---|
麻生 知寿 ASO Chizu |
科長(准教授) |
【資格】 |
須藤 貴史 SUTO Takashi |
准教授 |
【資格】 |
山田真紀子 YAMADA Makiko |
助 教 |
【専門分野】 【資格】 |
三枝 里江 MIEDA Rie |
助 教 |
【専門分野】 【資格】 |
堀内 辰男 HORIUCHI Tatsuo |
助 教 |
【専門分野】 【資格】 |
伊東幸日子 ITO Sachiko |
助教(病院) |
【資格】 |
廣木 茜 HIROKI Akane |
医 員 |
【資格】 |
南雲 一洋 NAGUMO Kazuhiro |
助 教 |
【専門分野】 【資格】 |
熊倉みなみ KUMAKURA Minami |
医 員 |
【専門分野】 【資格】 |
鯉淵 郁也 KOIBUCHI Ikuya |
助教(病院) |
【資格】 |
原口 崇 HARAGUCHI Takashi |
助教 |
【資格】 |
本田 善孝 HONDA Yoshitaka |
助 教 |
【資格】 |
佐々木佑輔 SASAKI Yusuke |
助教(病院) |
【資格】 |
齋藤 紗希 SAITO Saki |
助教(病院) |
【資格】 |
菅原 健志郎 SUGAHARA Kenshiro |
助 教 |
【資格】 |
星野 智 HOSHINO Tomo |
医 員 |
【資格】 |
鈴木 聡子 SUZUKI Satoko |
医 員 |
【専門分野】 【資格】 |
佐藤 萌 SATO Moe |
医 員 |
【専門分野】 【資格】 |
中曽根千草 NAKASONE Chigusa |
医 員 |
【資格】 |
鵜山 織以 UYAMA Orii |
医 員 |
【資格】 |
新井 裕貴 ARAI Yuki |
医 員 (大学院生) |
【資格】 |
舩引 亮輔 FUNABIKI Ryosuke |
医 員 (大学院生) |
【資格】 |
外来診療予定表
初診受付: 午前8時30分~10時30分まで(紹介状をお持ちください)
再診受付: 午前8時00分~11時00分まで(予約制)
ご不明な点は麻酔・集中治療科外来(TEL 027-220-8470 外来診療棟3階)までお問い合わせください。
月 | 火 | 水 | 木 | 金 |
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