腎臓・リウマチ内科
診療案内
診療内容・診療方針
当科では慢性腎炎、慢性腎不全、ネフローゼ症候群などの腎疾患と、関節リウマチ、全身性エリテマトーデスなどのリウマチ性疾患(膠原病など)の患者さんの診療を行っています。腎疾患、リウマチ性疾患とも、最近の診断、治療の進歩には目覚しいものがあります。各疾患の最新の診療指針(ガイドライン)をふまえて、的確な診断を行うとともに、最善と思われる治療をご提供します。2015年1月から始まった難病医療費助成制度では、一部の腎疾患と多くのリウマチ性疾患が指定難病となっており、認定されるとその治療に係る医療費の一部が公費により助成されます。当科に関連する指定難病について正しく診断し、重症度を満たす場合は認定申請に必要な書類を作成するとともに、その治療を積極的に行います。また診療に関わる検査や治療方針の選択の際には、患者さんの意思を十分に尊重して行わせていただきます。診療に関して疑問点などありましたら、いつでも担当医にご相談ください。なお当科では地域の医療機関と連携を取りながら診療にあたっています。診断がついて治療方針が決まった場合、病状によっては紹介元の病院に再度ご紹介したり、最寄りの医療機関にご紹介させていただいたりして、患者さんの利便性を図るようにしております。
主な対象疾患
腎疾患:血尿/タンパク尿、急性腎炎、慢性腎炎、急性腎障害、慢性腎臓病、糸球体腎炎、ネフローゼ症候群、二次性腎炎(膠原病、紫斑病、糖尿病、薬剤)
リウマチ・膠原病:関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、全身性強皮症、多発性筋炎・皮膚筋炎、シェーグレン症候群、血管炎症候群、ベーチェット病、関節痛、その他関節症
得意とする分野
腎疾患
腎臓の病気はあまり症状がでないことが多く、検診などの尿検査でタンパク尿、血尿により発見されたり、血液検査で腎機能の低下により見つかったりします。これらの状態が続く場合、慢性腎臓病(Chronic Kidney Disease, CKD)と呼ばれます。慢性腎臓病は将来透析に至る危険があるだけでなく、脳卒中や心筋梗塞などを発症する危険が増えることもわかっており、早期に診断、治療することが重要です。当科では慢性腎臓病の原因となる慢性糸球体腎炎(IgA腎症など)、糖尿病性腎症、腎硬化症などについて、正しく診断し、それぞれの病態に合わせた栄養指導、生活指導、薬物療法を行い、腎機能の悪化や脳卒中・心筋梗塞発症の阻止を目指しています。また残念ながら腎機能低下が進行して透析が必要となる場合には、当科の関連施設を中心に最寄りの透析施設をご紹介させていただき、円滑に透析療法を始めることができるようにしています。生体腎移植を希望される場合は、当院の泌尿器科などにご紹介しています。
平成27年1月あるいは7月より指定難病となった、IgA腎症、多発性嚢胞腎、一次性ネフローゼ症候群(膜性腎症、微小変化型、巣状糸球体硬化症など)、一次性膜性増殖性糸球体腎炎、急速進行性糸球体腎炎、紫斑病性腎炎、アルポート症候群に対しては、その診断と治療を積極的に行っています。これらの疾患の診断においては、腎臓の組織を取って調べる腎生検が必要になることがありますが、当科では昭和48年以来1,000名以上の患者さんの腎生検を施行しており、その経験を生かして的確な診断を行います。また各疾患の最新の治療法を積極的に取り入れ、タンパク尿、血尿の消失・軽減、腎機能低下の阻止・軽減を目指しています。
リウマチ性疾患
リウマチ性疾患(膠原病など)は、関節痛、発熱、筋肉痛、皮疹などの症状で発症することが多い疾患で、これらが持続する場合リウマチ性疾患が疑われます。当科では関節リウマチ、全身性エリテマトーデスという代表的な疾患を中心に、多発性筋炎・皮膚筋炎、全身性強皮症、混合性結合組織病、顕微鏡的多発血管炎、ベーチェット病、シェーグレン症候群など多くの疾患の診断、治療を行っています。特に関節リウマチでは、2000年代になり生物学的製剤と呼ばれる効果の強い薬剤が導入されたこともあり、多くの患者さんで関節痛が軽快し、関節破壊の進行を阻止できるようになりました。関節リウマチ以外のリウマチ性疾患でも、ステロイド薬、免疫抑制薬、生物学的製剤などを適切に使用することで、多くの患者さんにおいて病気をしっかりとコントロールすることが可能になっています。一方、リウマチ性疾患で使用する薬剤(ステロイド薬・免疫抑制薬、生物学的製剤など)は注意すべき副作用がいろいろあります。事前にしっかりと説明をさせていただき、副作用の発現について十分注意しながら診療させていただきます。
リウマチ性疾患は全身の臓器に障害が起こることより、院内の呼吸器内科、循環器内科、脳神経内科、整形外科、皮膚科、眼科などの診療科と密接な連携を取りながら診療にあたります。また腎臓はリウマチ性疾患で特に障害を受けやすい臓器であり、両者の専門家がいることが当科の強みです。全身性エリテマトーデスや顕微鏡的多発血管炎などによる腎障害の診断・治療をスムーズに行っています。
主な疾患の診療実績
代表的疾患の年間患者数(2021年度)
疾患 | 初診 | 再診 | 入院 |
---|---|---|---|
IgA腎症 | 25 | 71 | 30 |
膜性腎症 | 4 | 17 | 7 |
微小変化型ネフローゼ症候群 | 7 | 28 | 18 |
膜性増殖性糸球体腎炎 | 1 | 3 | 2 |
巣状糸球体硬化症 | 2 | 7 | 0 |
糖尿病性腎症 | 16 | 11 | 2 |
多発性嚢胞腎 | 3 | 11 | 2 |
アルポート症候群 | 2 | 4 | 0 |
紫斑病性腎炎 (IgA血管炎) |
6 | 9 | 1 |
間質性腎炎 | 3 | 10 | 2 |
急性腎障害 | 29 | 1 | 6 |
その他の腎疾患 (腎炎、腎不全を含む) |
192 | 132 | 19 |
関節リウマチ | 75 | 291 | 32 |
全身性エリテマトーデス (ループス腎炎を含む) |
33 | 305 | 44 |
全身性硬化症 (強皮症) |
14 | 33 | 2 |
皮膚筋炎・多発性筋炎 | 12 | 50 | 13 |
混合性結合組織病 | 2 | 25 | 3 |
シェーグレン症候群 | 35 | 59 | 0 |
顕微鏡的多発血管炎 | 10 | 36 | 22 |
ベーチェット病 | 10 | 57 | 4 |
成人スチル病 | 4 | 23 | 8 |
リウマチ性多発筋痛症 | 14 | 48 | 1 |
脊椎関節症 (強直性脊椎炎等) |
9 | 24 | 2 |
大動脈炎症候群・巨細胞性動脈炎 | 9 | 32 | 12 |
多発血管炎性肉芽腫症 | 3 | 29 | 6 |
サルコイドーシス (サルコイド腎症を含む) |
6 | 10 | 2 |
IgG4関連疾患 (IgG関連腎臓病を含む) |
17 | 33 | 3 |
その他のリウマチ性疾患 | 162 | 109 | 12 |
合計 | 705 | 1468 | 255 |
主な検査や医療設備
腎生検(腎疾患の正確な診断を行うために、腎組織を採取して調べる検査です。)
腎臓超音波
関節超音波
医師紹介
氏名 | 職名 | 専門分野・資格 |
---|---|---|
廣村 桂樹 HIROMURA Keiju |
教授・科長 |
【専門分野】 【資格】 |
金子 和光 KANEKO Yoriaki |
講 師 |
【専門分野】 【資格】 |
池内 秀和 IKEUCHI Hidekazu |
病院講師 |
【専門分野】 【資格】 |
浜谷 博子 HAMATANI Hiroko |
助 教 |
【専門分野】 【資格】 |
竹内 陽一 TAKEUCHI Yoichi |
助教 |
【専門分野】 【資格】 |
大石 裕子 OHISHI Yuko |
助教 (医療の質・安全管理部) |
【専門分野】 【資格】 |
諏訪 絢也 SUWA Junya |
助教(病院) |
【専門分野】 【資格】 |
木下 雅人 KINOSHITA Masato |
助教(病院) |
【専門分野】 【資格】 |
竹内 沙永子 TAKEUCHI Saeko |
医 員 |
【専門分野】 【資格】 |
今井 陽一 IMAI Yoichi |
医 員 |
【専門分野】 【資格】 |
星野 晶子 Hoshino Akiko |
医 員 |
【専門分野】 【資格】 |
金谷 あずさ KANAYA Azusa |
医 員 |
【専門分野】 【資格】 |
小川 真一郎 OGAWA Shin-ichiro |
医 員 |
【専門分野】 【資格】 |
佐藤 広宣 SATO Hironobu |
医 員 |
【専門分野】 【資格】 |
中村 美紀 NAKAMURA Miki |
医 員 |
【専門分野】 【資格】 |
真下 裕 MASHIMO Yutaka |
医 員 |
【専門分野】 【資格】 |
増田 美沙季 MASUDA Misaki |
医 員 |
【専門分野】 |
曲陸丹 KYOKU Rikutan |
医 員 |
【専門分野】 |
佐藤 俊介 SATO Syunsuke |
医 員 |
【専門分野】 |
外来診療予定表
初診受付: 午前8時30分~10時30分まで(紹介状をお持ちください)
再診受付: 午前8時00分~16時00分まで(予約制)
ご不明な点は腎臓・リウマチ内科外来(TEL 027-220-8172 外来診療棟2階)までお問い合わせください。
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | |
---|---|---|---|---|---|
午前 | 初診 再診 |
急患のみ | 初診 再診 |
初診 | 急患のみ |
午後 | 再診 | 再診 | 再診 | 再診 | 急患のみ |