消化管外科
診療案内
診療内容・診療方針
消化管外科では食道、胃、小腸、大腸、肛門など消化管全般の外科治療を担当しています。消化管のがん診療においては、鏡視下手術やロボット手術などの低侵襲治療および先進的医療を行っています。また、外科治療だけでなく、多診療科と密接に連携を取りながらそれぞれの患者さんに最も適した治療を提供できるよう取り組んでいます。いずれの分野においても専門医の担当のもとに先進的な治療の推進と同時に、『身体の傷』だけでなく『心の傷』も小さい、心と身体にやさしい医療を心がけています。外来・入院を通して、各分野の指導医および専門医が責任を持って診察・治療を行い、救急の患者さんに対しても24時間体制で対応しております。
主な対象疾患
食道:食道がん、逆流性食道炎、食道裂孔ヘルニア、食道運動障害(食道アカラシアなど)、特発性食道破裂
胃:胃がん、胃GIST、胃十二指腸潰瘍および穿孔、病的肥満症
大腸・肛門:大腸がん、潰瘍性大腸炎、クローン病、内痔核、痔ろう
腹壁:鼠径ヘルニア、大腿ヘルニア、腹壁瘢痕ヘルニア、臍ヘルニア
得意とする分野
- 消化管外科は外科診療センターのなかの一つの診療科です。すべての患者さんに対して、外科診療センター全体のカンファレンスで最適かつ安全な治療法を検討します。
- 消化管がん手術の8割以上で鏡視下手術(腹腔鏡手術、胸腔鏡手術、ロボット手術)を行っており、低侵襲手術を心掛けています。
- 多診療科と密接な連携が取れており、外科治療以外の治療として、内視鏡的治療、化学療法、放射線療法、免疫療法なども実施可能です。
- 全国規模、世界規模の治験や臨床試験にも多く参加しており、最先端の治療をご提案できます。
- 大学病院以外では治療が難しいような、種々の合併症や既往歴などを有する患者さんの治療を多く行っております。
主な疾患の診療実績
代表的疾患の手術症例数
術式 | 2023年 | 2022年 | 2021年 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
症例数 | うち鏡視下症例 | 症例数 | うち鏡視下症例 | 症例数 | うち鏡視下症例 | |
食道がん | ||||||
食道切除再建 (3領域) |
31 | 31 (ロボット18) |
37 | 36 (ロボット5) |
41 | 35 (ロボット2) |
内視鏡的粘膜下層剥離術 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
胃管がん | ||||||
胃管切除再建 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 |
食道良性疾患 | ||||||
アカラシア手術(POEM含む) | 7 | 0 | 11 | 0 | 6 | 0 |
食道裂肛ヘルニア根治術 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
食道穿孔 | 0 | 0 | 2 | 1 | 1 | 0 |
食道大動脈瘻 (再建含む) |
2 | 0 | 2 | 0 | 2 | 0 |
食道胃接合部がん | ||||||
食道切除再建(2領域) | 2 | 2 | – | – | – | – |
下部食道噴門側胃切除 | 6 | 6 (ロボット4) |
– | – | – | – |
下部食道胃全摘 | 1 | 1 | – | – | – | – |
胃がん | ||||||
幽門側胃切除 | 37 | 35 (ロボット8) |
29 | 26 (ロボット1) |
32 | 31 |
噴門側胃切除 | 1 | 1 (ロボット1) |
16 | 16 (ロボット1) |
12 | 11 |
胃全摘 | 11 | 10 (ロボット7) |
18 | 16 (ロボット1) |
14 | 13 |
残胃全摘 | 1 | 0 | 2 | 2 | 1 | 0 |
審査腹腔鏡 | 8 | 8 | – | – | – | – |
胃空腸吻合 | 2 | 2 | – | – | – | – |
胃GIST | ||||||
胃部分切除 | 10 | 7 | 5 | 5 | 7 | 5 |
胃良性疾患 | ||||||
スリーブ状胃切除術 | 3 | 3 | 2 | 2 | – | – |
胃・十二指腸穿孔 | ||||||
7 | 4 | – | – | – | – | |
結腸がん | ||||||
結腸切除術 | 92 | 85 (ロボット3) |
72 | 70 | 79 | 75 |
直腸がん | ||||||
高位前方切除術 | 11 | 11 (ロボット7) |
30 | 26 (ロボット5) |
14 | 14 (ロボット1) |
(超)低位前方切除術 | 46 | 46 (ロボット18) |
36 | 36 (ロボット1) |
28 | 28 |
ISR | 2 | 2 (ロボット1) |
0 | 0 | 2 | 2 |
腹会陰式直腸切断術 | 11 | 11 (ロボット7) |
8 | 8 (ロボット1) |
8 | 8 |
ハルトマン手術 | 1 | 1 (ロボット1) |
2 | 2 | 4 | 4 |
骨盤内臓全摘 | 1 | 0 | 0 | 0 | 4 | 0 |
その他腫瘍 | ||||||
腸切除術 | 9 | 5 | 4 | 2 | 11 | 6 |
腫瘍生検 | 14 | 4 | 2 | 1 | 20 | 3 |
虫垂炎 | ||||||
虫垂切除術 | 16 | 16 | 17 | 16 | 24 | 23 |
腸閉塞 | ||||||
腸切除術 | 10 | 3 | 13 | 3 | 11 | 4 |
人工肛門 | ||||||
人工肛門閉鎖術 | 45 | 0 | 30 | 0 | 31 | 0 |
人工肛門造設術 | 74 | 63 | 45 | 32 | 28 | 17 |
急性腹症 | ||||||
腸切除 | 22 | 1 | 19 | 5 | 31 | 11 |
試験開腹 | ||||||
3 | 2 | 5 | 3 | 25 | 12 | |
ヘルニア | ||||||
腹壁瘢痕ヘルニア根治術 | 9 | 4 | 4 | 0 | 1 | 1 |
鼠径ヘルニア根治術 | 42 | 19 | 33 | 18 | 23 | 14 |
大腿ヘルニア根治術 | 0 | 0 | 2 | 0 | 2 | 2 |
合計 | ||||||
537 | 383 (ロボット75) |
446 | 326 (ロボット15) |
463 | 320 (ロボット3) |
特殊医療(先進医療を含む)
肥満手術
内科的な治療で改善しない肥満症例の中には、スリーブ状胃切除術という胃を細くする手術が適応となることがあります。本手術に関しては、群馬大学病院として新たに届出を行いましたので、もし患者さんがいらっしゃればお問い合わせください。内分泌糖尿病内科とも連携を取りながら対応いたします。
TaTME手術
Transanal total mesorectal excision(経肛門的全直腸間膜切除術)の略で、直腸がんに対して通常の腹腔鏡での手術操作に加えて、肛門からの手術操作を加えて手術を行う方法です。腹部からの手術のみでは難しい病変の手術がやりやすくなり、がんの根治度を落とさず、ぎりぎりまで肛門温存ができる可能性があります。そのため、世界で注目されている手術方法です。日本では限られた施設のみで行われており、当院でも導入いたしました。
主な検査や医療設備
手術支援ロボット「ダヴィンチ」(腹腔鏡・胸腔鏡下手術を支援する医療用ロボットです。限られた空間での精緻な動きを得意とするため、繊細な操作が必要な消化管がん手術に適しています。)
専門外来・特殊外来
~上部消化管外来~
食道がん、胃がんだけでなく、逆流性食道炎、食道裂孔ヘルニア、食道アカラシア、食道運動機能障害、胃粘膜下腫瘍、病的肥満症といった、食道・胃のあらゆる疾患に対する治療を行っています。頸部食道から胃まで、全ての進行度の悪性疾患に対しての治療はもちろん、良性疾患についても患者さんのQOLを重視したバランスのよい最善の治療をご提案いたします。それぞれの患者さんのがんの病状、併存疾患の病状に応じ、一人一人についてキャンサーボード、チームカンファレンス、全体カンファレンスで詳細な検討を重ね、それぞれに最善となる治療を提供出来るよう、また、安全で精緻な手術を提供出来るよう責任をもって診療にあたります。
~下部消化管外来~
大腸がんなどの悪性腫瘍を中心に、潰瘍性大腸炎やクローン病など、下部消化管にかかわる疾患を幅広く診療しています。大腸がんの患者さんや、潰瘍性大腸炎・クローン病の患者さんは毎年増え続けています。私たちは、これらの疾患に対して腹腔鏡手術を早期から導入し、可能な限りからだに優しい治療を心がけております。一方で、病状が進んでしまっている場合には、他臓器を合併切除する拡大手術や患者さんの個々の状態に合わせた抗がん剤治療、他の診療科と連携した集学的治療も積極的に行っております。また、さまざまな救急疾患や鼠径ヘルニアといった良性疾患に対しても専門性の高い治療を行っております。
専門外来の詳細については、以下の群馬大学総合外科学講座 消化管外科分野のホームページをご参照ください。
https://g-surg.med.gunma-u.ac.jp/
医師紹介
氏名 | 職名 | 専門分野・資格 |
---|---|---|
佐伯 浩司 SAEKI Hiroshi |
診療科長・教授 |
【専門分野】 【資格】 |
酒井 真 SAKAI Makoto |
講 師 |
【専門分野】 【資格】 |
佐野 彰彦 SANO Akihiko |
病院講師 |
【専門分野】 【資格】 |
木村 明春 KIMURA Akiharu |
助教(病院) |
【専門分野】 【資格】 |
大曽根 勝也 OSONE Katsuya |
助教 |
【専門分野】 【資格】 |
岡田 拓久 OKADA Takuhisa |
助教(病院) |
【専門分野】 【資格】 |
白石 卓也 SHIRAISHI Takuya |
病院講師 (先端医療開発センター) |
【専門分野】 【資格】 |
小峯 知佳 KOMINE Chika |
医員 (大学院生) |
【専門分野】 【資格】 |
中澤 信博 NAKAZAWA Nobuhiro |
助教(病院) |
【専門分野】 【資格】 |
柴崎 雄太 SHIBASAKI Yuta |
助教(病院) |
【専門分野】 【資格】 |
片山 千佳 KATAYAMA Chika |
医 員 |
【専門分野】 【資格】 |
塩井 生馬 SHIOI Ikuma |
医員 (大学院生) |
【専門分野】 【資格】 |
山口 亜梨紗 YAMAGUCHI Arisa |
医員 (大学院生) |
【資格】 |
内田 真太郎 UCHIDA Shintaro |
医員 (大学院生) |
【資格】 |
遠藤 瑞貴 ENDO Mizuki |
医員 (大学院生) |
【資格】 |
舘野 航平 TATENO Kohei |
医員 (大学院生) |
【資格】 |
細井 信宏 HOSOI Nobuhiro |
医員 (大学院生) |
【資格】 |
関 孝博 SEKI Takhiro |
医員 (大学院生) |
|
上原 弘聖 UEHARA Kosei |
医員 (大学院生) |
|
清水 祐太朗 SHIMIZU Yutaro |
医員 (大学院生) |
外来診療予定表
初診受付:午前8時30分~10時30分まで(木曜を除く)
午後13時~16時まで(木、金曜のみ)
(紹介状をお持ち下さい)
再診受付:午前8時30分~午後16時まで(予約制)
不明な点は外科外来(TEL 027-220-8229 外来診療棟3階)までお問い合わせください。
- 外来担当医は、やむを得ない事情により変更になる場合があります。あらかじめご了承ください。
- 初診の患者さんは、まずかかりつけの医療機関を受診していただき、病状に応じて紹介状をお持ちになって受診していただきますようお願いいたします。
- 消化管外科では、通常の初診枠以外に地域連携枠も設けております。こちらはかかりつけ医療機関からのみ予約可能です。ご希望の方はかかりつけ医療機関でご相談ください。
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | |
---|---|---|---|---|---|
午前 | 初診・再診 柴崎雄太 小峯知佳 |
初診・再診 岡田拓久 関 孝博 |
初診・再診 木村明春 佐野彰彦 |
急患のみ 上原弘聖 |
初診・再診 大曽根勝也 清水祐太朗 専門外来 (上部消化管) 佐伯浩司 酒井真 佐野彰彦 木村明春 中澤信博 細井信宏 山口亜梨紗 |
午後 | 専門外来 (上部消化管) 佐伯浩司 宗田真 酒井真 細井信宏 山口亜梨紗 上原弘聖 清水祐太朗 専門外来 (下部消化管) 佐伯浩司 白石卓也 大曽根勝也 岡田拓久 小峯知佳 柴崎雄太 片山千佳 塩井生馬 内田真太郎 遠藤瑞貴 急患対応 上原弘聖 |
専門外来 (上部消化管) 佐伯浩司 酒井真 佐野彰彦 木村明春 中澤信博 細井信宏 山口亜梨紗 清水祐太朗 |