ドクターカー
前橋ドクターカー群大
- ドクターカーとは医師・看護師が救急現場に直接出動する救急車です。
消防機関の要請により出動し、救急現場に医師・看護師が出動することで、病院に搬送する前から医療行為が可能となり、重症な患者さんの救命率向上や後遺症軽減が期待できます。 - 2018年3月から、当院では前橋市消防局と共同で「前橋ドクターカー群大」の運行を開始しました。
「前橋ドクターカー群大」は、前橋市消防局の救急車1台と救急隊員(救急救命士)3名が当院に駐在するワークステーション方式で運行しています。前橋市消防局から出動要請を受けると、当院救命救急センターの医師1名・看護師1名が救急隊員3名とともに救急車で救急現場に出動します。
ドクターカー(前橋市消防局)と
ドクターカースタッフ(医師・看護師・救急救命士)
出動時間・出動範囲
出動範囲は前橋市内、当院から半径12kmを目安とした地域に出動します。「前橋ドクターカー群大」は主に前橋市北部地域を中心に出動することが多いですが、天候や状況によっては、前橋市全域に出動することもあります。現在、「前橋ドクターカー群大」は月・水曜日日中のみの運行ですが、将来的に運行曜日・時間の拡大を検討しています。前橋市では、前橋赤十字病院と前橋市消防局により、「前橋ドクターカー日赤」が先行して運行されており、前橋市は2台のドクターカーが運行されている全国的にも珍しい地域です。さらに「群馬ドクターヘリ」とも連携して、重症な患者さんが発生した救急現場に速やかに医療スタッフが出動できる体制が整っています。
前橋市におけるドクターカー・ドクターヘリの出動範囲
前橋ドクターカー群大 活動実績
- 前橋ドクターカー群大の出動件数は増加傾向となっています。
(2018年度 139件→2022年度 187件) - ドクターカーが出動すると、患者さんを当院に搬送するだけでなく、患者さんの病態や各病院の状況を踏まえて他院へ搬送することもあります。
- また、ドクターカーが出動したものの、先に救急現場に到着した救急隊の判断で患者さんの状態が軽症であることが分かった場合にキャンセルとなることがあります。
- 患者さんの疾患別では内科系疾患(病気)が約70%、外科系疾患(怪我)が約30%となっています。内因性疾患では、特に脳神経系疾患・循環器系・心肺停止が多い傾向にありました。
携行資器材
ドクターカー資器材バッグ(小児用・成人用)
ドクターカーにおける診療活動の流れ
ドクターカーの到着前橋市消防局から救急救命士が同乗した救急車(ドクターカー)が到着します。 |
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出動前の院内状況確認・資器材バックの確認出動前に、ドクターカースタッフ(医師・看護師・救急救命士)がミーティングを行い、院内のベッド状況を確認します。また、救急現場は病院内と異なり、医療環境・医療資器材も制限されているため、救急現場でもスムーズに物品を使用するために、チェックリストを使用して資器材バックを点検し、物品の過不足をチェックしています。 |
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携行薬剤の確認医師・看護師は携行薬剤の確認もしています。 |
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前橋市消防局から出動要請前橋市消防局から出動要請があれば、直ちに待機している救急車にドクターカースタッフが乗り込み、救急現場に出動します。 |
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ドクターカー出動どのような現場の状況でも安全に活動するため、スタッフはヘルメットと安全靴を着用しています。 |
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現場活動救急現場に到着すると、先着あるいは後着した救急隊と合流して、診療を開始します。交通事故現場や患者さんの自宅、老人保健施設など救急車が出動する場所であれば、あらゆる現場で活動します。 |
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救急車内での活動救急現場で診療を開始しながら、ドクターカーまたは救急車内に患者さんを収容して診療を行います。診療活動と並行して、搬送先の病院を決定し、救急現場を出発します。 |
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ドクターカー帰院・出動後のデブリーフィング救急現場から病院に到着後は、搬送先の病院スタッフに患者さんの診療を引き継ぎます。その後、ドクターカースタッフ間でデブリーフィングを行い、救急現場での診療活動を振り返りながら活動の検証をしています。 |
患者さん・ご家族の方へ
ドクターカーは、患者さんやご家族の方からの出動要請はできません。119番通報を受けて、前橋市消防局通信指令課が出動を判断します。
ドクターカーが出動し、患者さんを診療・搬送した場合は、搬送費用はかかりませんが、診療に関連した費用(救急搬送診療料、往診料、初診料、救急救命管理料など)については、患者さんのご負担となります。