【患者のみなさまへ】がんゲノム医療とは
1.ゲノムと遺伝子について
2.がんの原因と分子標的薬について
がんは遺伝子に傷がつくこと(「遺伝子異常」)が蓄積しておこる病気とされています。医学の発達でいろいろながんの遺伝子異常が解明されると、その遺伝子異常に対応した薬(「分子標的薬」といいます)が作られ、臨床現場で使われています。
3.がんゲノム医療について
同じ部位のがんでも、その原因となる遺伝子異常は患者さんごとに異なります。これまでは、がんの発生した臓器ごとに抗がん薬使用が認められていました。しかし、がんに関する研究が進み、異なる臓器で認められている治療薬でも同じ遺伝子異常があれば効果が期待できることがわかってきました。つまり、臓器ごとではなく、がんの原因となっている遺伝子異常ごとに薬剤を選択することが期待されています。
4.がん遺伝子パネル検査について
新しい遺伝子検査である「がん遺伝子パネル検査」とは、がんの発症に関係する遺伝子のうち治療薬の効果に関連するものや、がん種の診断に関連するものなど数百の遺伝子を一度に調べる検査です。多くの遺伝子を一度に調べることで、短期間で一人ひとりの患者さんの病気に合わせた治療薬が見つかることが期待されます。
5.当院で行うがん遺伝子パネル検査について
- OncoGuide™NCC オンコパネル システム(保険適用)
124のがん関連の遺伝子を調べます。
がん組織と血液で検査をします。血液細胞も調べることにより、がん細胞に生じた異常ががん化に伴う異常なのか、もともと正常細胞が持っている異常(=遺伝性腫瘍の遺伝子異常)なのかが区別できます。
- FoundationOne®CDx がんゲノムプロファイル(保険適用)
324のがん関連の遺伝子を調べます。
がん組織で検査をします。一部の分子標的薬の効果が期待できるかを調べる「コンパニオン診断」機能を持ち合わせているのが特徴です。
- FoundationOne®Liquid CDx がんゲノムプロファイル(保険適用)
324のがん関連の遺伝子を調べます。
血液で検査をします。一部の分子標的薬の効果が期待できるかを調べる「コンパニオン診断」機能を持ち合わせているのが特徴です。
※ただし、その機能はFoundationOne®CDx がんゲノムプロファイルと同等ではありません。
- GUARDANT360® CDx がん遺伝子パネル(保険適応)
74のがん関連の遺伝子を調べます。
血液で検査をします。一部の分子標的薬の効果が期待できるかを調べる「コンパニオン診断」機能を持ち合わせているのが特徴です。