呼吸器・アレルギー内科
診療案内
診療内容・診療方針
呼吸器・アレルギー内科では、肺・気管支・胸膜・縦隔などに起こるさまざまな病気を診療しています。北関東を中心とする病院や医院で診断や治療に困っている患者さんが数多く紹介されて来ます。「咳が続く」、「痰が出る」、「息切れがする」、「胸が痛い」などの症状を自覚される方は、是非一度受診されるようお勧めします。
呼吸器・アレルギー内科で診療する病気の中でも特に重要な疾患の一つとして、肺癌が挙げられます。肺癌の診断・治療には、呼吸器内科、呼吸器外科、放射線腫瘍科、画像診断部門、病理部門などが共同してあたる必要があります。私たち呼吸器・アレルギー内科では、これら他科と密に連携をとり、肺癌の患者さんに「群馬大学で行うことのできる最善の医療」を提供する努力を続けています。
お役に立てるものと思います。是非、ご相談ください。
主な対象疾患
呼吸器アレルギー疾患
胸部X線異常、血痰、慢性咳嗽、気管支喘息、アレルギー性呼吸器疾患、COPD(肺気腫、慢性気管支炎)、気管支拡張症、間質性肺炎、肺線維症、過敏症肺炎、肺癌、縦隔腫瘍、サルコイドーシス、肺炎、気管支炎、胸膜炎、肺結核、肺非結核性抗酸菌症、肺真菌症、胸水、自然気胸、肺血栓塞栓症、睡眠時無呼吸症候群 など
得意とする分野
気管支喘息
近年、重症難治性喘息に対しては抗IgE抗体、抗IL-5抗体、抗IL-5受容体抗体、抗IL-4/13受容体抗体といった多くの生物学的製剤や内視鏡による気管支熱形成術(気管支サーモプラスティ)が行われるようになり、治療の幅が広がっています。
肺癌
肺癌の確定診断において、通常の気管支鏡検査とともに、気管支鏡では検査が難しく、全身麻酔下の縦隔鏡でなければ不可能であった縦隔、肺門部のリンパ節病変にも、超音波気管支鏡を用いた経気管支針生検を行っております。また、非小細胞肺癌の場合、ドライバー遺伝子の変異・転座(EGFR, ALK, ROS1, BRAF, MET)、注目されておりますPD-L1の発現を確認しながら、それぞれの患者さんの肺癌の種類(組織型)や拡がりの程度、分子異常のタイプをもとに、肺癌の治療を行うべきかどうか、行う場合にはどのような方法で行うかを十分に検討し、治療法を決めております。
特発性肺線維症
特発性肺線維症に対する抗線維化薬の早期導入ならびに、皮膚筋炎合併間質性肺炎を始めとする膠原病関連の進行性間質性肺炎に対して積極的に治療を進めながら、めまぐるしい進歩を遂げている抗癌剤治療・免疫治療による薬剤性肺障害にも取り組んでいます。
慢性閉塞性肺疾患(COPD)
長時間作用型β2刺激薬および長時間作用型抗コリン薬の配合剤による治療が広がってきております。ACO(喘息とCOPDのオーバーラップ)の方には吸入ステロイドの適応なども検討しながら治療に取り組んでいます。
主な疾患の診療実績
代表的疾患の年間入院患者数(2019年度)
疾患名 | 患者数 |
---|---|
肺癌および呼吸器悪性腫瘍 | 215 |
肺炎などの感染症(結核含む) | 67 |
気管支鏡検査(内科的胸腔鏡などを含む) | 59 |
間質性肺炎 | 51 |
睡眠時無呼吸症候群 | 17 |
CTガイド下生検 | 14 |
気管支喘息およびアレルギー性疾患 | 8 |
COPD | 4 |
その他(気胸、サルコイドーシスなど) | 25 |
各種疾患の治療成績や予後に関連する診療内容を記載します。
1)気管支喘息
気管支喘息の予防・管理ガイドラインに基づき、個々の患者さんの重症度に応じて、適切な治療を選択しています。吸入ステロイドを中心に、長時間作動性β2刺激薬(吸入薬、貼付薬など)、ロイコトリエン受容体拮抗薬、長時間作用型吸入抗コリン薬、徐放性テオフィリン薬などを組み合わせた長期管理治療を行っています。難治性気管支喘息の患者さんには、生物学的製剤(抗IgE抗体、抗IL-5抗体、抗IL-5受容体抗体、抗IL-4/13受容体抗体)や気管支熱形成術(気管支サーモプラスティ)による治療を行っています。患者さんには喘息日誌や問診票の記載、ピークフロー(最大呼気流量)測定自己測定をしていただき、更に呼気一酸化窒素測定、呼吸機能検査などの検査結果をもとにして病気のコントロールをしています。患者さんの多くは外来治療により良好にコントロールされていますが、重症患者さんの急性増悪にも対応しております。また、好酸球性副鼻腔炎、好酸球性中耳炎、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症などの気管支喘息が併存する難治性疾患に対しては、各診療科と協力して治療しています。
2)肺癌
単純X線、CT、シンチ、PET・CT、MRIなどによる画像診断に加えて、気管支鏡による経気管支肺生検、通常の気管支鏡では診断が難しい場合には超音波気管支鏡を用いた経気管支針生検などによる確定診断を積極的に行っています。確定診断後は、治療ガイドラインに基づき、薬物療法あるいは薬物療法と放射線の併用療法を行うなど、個々の患者さんに対して適切な治療を選択しています。患者さんの生活の質の向上を図るため、外来化学療法も積極的に行っています。
3)間質性肺炎
間質性肺炎には、原因が明らかでない特発性間質性肺炎や膠原病に合併した間質性肺炎、過敏性肺炎、薬剤性肺炎、好酸球性肺炎などさまざまな病態があります。間質性肺炎の患者さんに、画像診断や気管支鏡検査などによる病理組織学的診断などを用いて正確な臨床診断を行い、抗線維化薬やステロイド治療薬の適否などを決定しています。適応があれば、呼吸器外科に外科的肺生検も行っていただいております。
4)慢性閉塞性肺疾患(COPD)
日本呼吸器学会やGOLDなどの治療ガイドラインに基づき、COPDの重症度・自覚症状に応じた適切な治療を行っています。長時間作用型気管支拡張薬(β2刺激薬および抗コリン薬)の単独あるいは組み合わせによる治療を主体に行っています。患者さんには禁煙指導のほか、リハビリテーション部と連携して呼吸理学療法、運動療法も行っています。また、適応のある患者さんには、地域の医療機関と連携を取りながら在宅酸素療法、在宅でのNPPV(非侵襲性陽圧人工呼吸)の導入部分を担当しております。最近、ガイドラインでもその重要性が指摘されているACO(喘息とCOPDのオーバーラップ)や気腫合併肺線維症の患者さんの診療にもあたっています。
専門外来・特殊外来
難治性気管支喘息外来
近年、重症難治性喘息に対する生物学的製剤や気管支熱形成術(気管支サーモプラスティ)などの治療選択肢が増えていますが、適切な治療を選択していくためには専門的な対応が必要です。そこで、難治性気管支喘息患者さんを対象として、適切な治療選択を提供していくために上記の外来を開設しました。受診をご希望の方は、かかりつけの先生に紹介状を作成していただき、当科の連携枠をご予約いただいうえで、初診外来(水曜以外)にお越しください。初診時にいくつかの検査を予定させていただいた後、難治性気管支喘息外来(水曜日)を受診していただきます。
難治性気管支喘息外来を受診後は、現在の病状や併存疾患の様子を確認して、必要により治療内容を調整させていただき、生物学的製剤や気管支熱形成術(気管支サーモプラスティ)を行うかどうか良く相談させていただきます。生物学的製剤を選択する場合は外来に通院していただき、定期的に薬剤の皮下注射を行います。気管支熱形成術(気管支サーモプラスティ)を選択する場合は左右両方の肺の気管支を内視鏡で治療するため、計3回の入院治療を行います。
なお、難治性気管支喘息外来には、かかりつけの先生の外来と並行して通院していただくこととなります。かかりつけの先生には、当院の治療状況を適宜お知らせさせていただきます。
薬物療法外来
最近の診断技術や治療の進歩に伴い、肺癌や悪性胸膜中皮腫などの胸部悪性疾患に対する薬物療法は多様化しています。胸部悪性疾患に対して特に専門性の高い治療を提供するため、薬物療法専門外来を開設いたしました。受診をご希望の方は、かかりつけの先生に紹介状を作成していただき、先ずは呼吸器・アレルギー内科の初診外来(水曜以外)にお越しください。初診時に診断や治療方針決定のための精査を予定させていただき、肺キャンサーボードや呼吸器内科カンファレンスにおいて治療方針の検討を行った上で、薬物療法外来の適応となる方については、専門外来(水曜日)を受診していただきます。
医師紹介
氏名 | 職名 | 専門分野・資格 |
---|---|---|
前野 敏孝 MAENO Toshitaka |
診療教授 (診療科長) |
【資格】 日本内科学会 総合内科専門医 日本内科学会 内科認定医 日本呼吸器学会 呼吸器指導医 日本呼吸器学会 呼吸器専門医 ICD制度協議会 Infectioncontrol doctor 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会 呼吸ケア指導士 |
砂長 則明 SUNAGA Noriaki |
診療准教授 (副診療科長) |
【資格】 日本内科学会 総合内科専門医 日本内科学会 内科認定医 日本呼吸器学会 呼吸器指導医 日本呼吸器学会 呼吸器専門医 日本アレルギー学会 アレルギー専門医 日本呼吸器内視鏡学会 気管支鏡指導医 |
古賀 康彦 KOGA Yasuhiko |
病院講師 | 【資格】 日本内科学会 総合内科専門医 日本内科学会 内科認定医 日本呼吸器学会 呼吸器指導医 日本呼吸器学会 呼吸器専門医 日本アレルギー学会 アレルギー指導医 日本アレルギー学会 アレルギー専門医 日本呼吸器内視鏡学会 気管支鏡専門医 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会 呼吸ケア指導医 ICD制度協議会 Infectioncontrol doctor 日本結核・非結核性抗酸菌症学会 結核・抗酸菌症指導医 日本結核・非結核性抗酸菌症学会 結核・抗酸菌症認定医 |
矢冨 正清 YATOMI Masakiyo |
助 教 | 【資格】 日本内科学会 総合内科専門医 日本内科学会 内科認定医 日本呼吸器学会 呼吸器専門医 日本アレルギー学会 アレルギー専門医 |
鶴巻 寛朗 TSURUMAKI Hiroaki |
助 教 | 【資格】 日本内科学会 総合内科専門医 日本内科学会 内科認定医 日本呼吸器学会 呼吸器指導医 日本呼吸器学会 呼吸器専門医 日本アレルギー学会 アレルギー専門医 |
三浦 陽介 MIURA Yosuke |
助教(病院) | 【資格】 日本内科学会 総合内科専門医 日本内科学会 内科認定医 日本呼吸器学会 呼吸器専門医 日本臨床腫瘍学会 がん薬物療法専門医 |
久田 剛志 HISADA Takeshi |
教授 (保健学研究科) |
【資格】 日本内科学会 総合内科専門医 日本内科学会 内科認定医 日本呼吸器学会 呼吸器指導医 日本呼吸器学会 呼吸器専門医 日本アレルギー学会 アレルギー指導医 日本アレルギー学会 アレルギー専門医 日本感染症学会 感染症指導医 日本感染症学会 感染症専門医 ICD制度協議会 Infectioncontrol doctor |
櫻井 麗子 SAKURAI Reiko |
助教 (腫瘍センター 副センター長) |
【資格】 日本内科学会 総合内科専門医 日本内科学会 内科認定医 日本呼吸器学会 呼吸器指導医 日本呼吸器学会 呼吸器専門医 日本呼吸器内視鏡学会 気管支鏡専門医 日本臨床腫瘍学会 がん薬物療法指導医 日本臨床腫瘍学会 がん薬物療法専門医 |
*定員内職員のみ掲載しています
外来診療予定表
初診受付: 午前8時30分~10時30分まで(予約制・紹介状をお持ちください)
再診受付: 午前8時00分~11時00分まで(予約制)
ご不明な点は呼吸器・アレルギー内科外来(TEL 027-220-8132 外来診療棟2階)までお問い合わせください。
初診予約制について
当科における患者さんの新規受診については,予約制とさせていただいております。
受診希望の方が多く、予約がとりにくいことがありますが、ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。
受診をいただく際には、現在受診されている病院・診療所からの診療情報提供書(紹介状)、予約が必要となります。
初診予約申込みのお問い合わせ先は,患者支援センター(TEL:027-220-7733)までお願いします。
月 | 火 | 水 | 木 | 金 |
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初診 (予約のみ) |
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