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脳神経外科

診療案内

診療内容・診療方針

脳という臓器は人間としての根幹に関わります。脳神経外科疾患は、患者さんとご家族の人生を左右する重大な病気です。われわれはその脳に外科治療を行うプロとして日々知識と技術の研鑽に努めています。当科は治療リスクの高い脳腫瘍や脳血管障害であっても神経モニタリングや脳ナビゲーションを活用し、正確で安全な手術を行っています。また脳卒中にも24時間緊急対応し、地域医療を支えています。その他、手足のしびれや麻痺を来す脊椎脊髄疾患、三叉神経痛や顔面痙攣、パーキンソン病に代表される運動異常、てんかんに対する外科治療を多く手がけています。
手術は、安全であることと体への負担が軽いことの2つがとても重要です。当科では、安全で精密な顕微鏡下手術と傷の小さい神経内視鏡や血管内手術を適切に組み合わせ安全性と低侵襲性を両立し、少しでも早く患者さんがふだんの生活に戻ってほしいと願っています。

主な対象疾患

脳腫瘍(グリオーマ、髄膜腫、下垂体腺腫、神経鞘腫、頭蓋咽頭腫、他の頭蓋底腫瘍、小児脳腫瘍、転移性脳腫瘍など)、脳動脈瘤、脳動静脈奇形、もやもや病、頚動脈狭窄症、脊髄腫瘍、変形性脊髄症、後縦靭帯骨化症、脊髄空洞症、キアリ奇形、顔面痙攣、三叉神経痛、てんかん、パーキンソン病、水頭症、脊髄破裂など。

得意とする分野
1.頭蓋底腫瘍(髄膜腫、下垂体腺腫、頭蓋咽頭腫、聴神経腫瘍など)

頭蓋底腫瘍摘出は深い経験と高い技術が要求されますが、当科では精密な顕微鏡下直達手術と傷が小さくて済む内視鏡下手術・血管内手術を組み合わせ、根治性(腫瘍の再発を抑える)と低侵襲性(早期の家庭・社会復帰)の両立を目指しています。

2.グリオーマ・小児脳腫瘍

神経モニタリング・覚醒下手術・ナビゲーションを利用した安全な手術と、放射線・化学療法を含め、多くの治療経験を有します。

3.脊椎脊髄疾患

手術用顕微鏡や外視鏡を利用し、安全な脊椎脊髄手術を行っています。脊髄腫瘍や脊髄血管障害を得意としています。

4.機能性疾患

顔面痙攣、三叉神経痛、舌咽神経痛、てんかん、パーキンソン病の手術治療を多く手がけています。

主な疾患の診療実績
代表的疾患の手術件数

年度 2019 2020 2021 2022 2023
手術総数 441 453 503 522 526
脳腫瘍:総数 156 131 165 185 174
 (1)摘出術 57 58 79 80 83
 (2)経蝶形骨洞手術 53 54 60 70 57
 (3)その他 46 19 26 35 34
脳血管障害(直達):総数 77 60 77 77 74
 (1)動脈瘤 17 12 11 12 13
 (2)脳動静脈奇形 2 3 6 1 3
 (3)頸動脈内膜剥離術 1 0 3 3 1
 (4)バイパス手術 14 7 12 18 12
 (5)脳内出血 11 16 22 25 19
 (6)その他 32 22 23 18 26
脳血管障害(血管内):総数 89 101 95 101 82
 (1)動脈瘤塞栓術 19 27 29 24 18
 (2)動静脈奇形 1 3 2 0 4
 (3)閉塞性脳血管障害 52 57 43 60 36
 (4)その他 17 14 21 17 24
外傷:総数 28 43 44 43 55
 (1)急性硬膜外血腫 0 2 1 1 3
 (2)急性硬膜下血腫 4 7 10 12 8
 (3)慢性硬膜下血腫 21 27 27 27 40
 (4)その他 3 7 6 3 4
奇形・水頭症:総数 22 45 46 27 30
 (1)奇形 1 1 6 3 0
 (2)水頭症 12 44 39 22 28
 (3)その他 9 0 1 2 2
脊椎・脊髄:総数 29 25 37 38 47
 (1)腫瘍 7 2 9 11 11
 (2)動静脈奇形 3 6 4 4 1
 (3)変性疾患 16 11 19 18 19
 (4)その他 3 6 5 5 16
機能的手術:総数 17 15 13 13 32
 (1)てんかん 1 1 0 0 0
 (2)不随意運動・頑痛症 0 4 4 1 4
 (3)脳神経減圧術 8 8 5 6 23
 (4)その他 8 2 4 6 5
その他 23 25 26 29 32

特殊医療(先進医療を含む)
  • 開頭・内視鏡合同手術
  • 覚醒下手術
主な検査や医療設備
  • CT、 MR、 脳血管撮影、SPECT、 PETなどの画像検査を行うことができます。CTでは造影剤を用いて脳血流解析、4D撮影を行うことができます。CT、 MRは24時間撮影可能です。
  • てんかんに対するビデオ脳波検査が可能です。
  • 手術支援機器として手術用顕微鏡、ORBEYE(外視鏡)、神経内視鏡、術中CT、ナビゲーションシステム、術中神経モニタリング、を保有しています。
  • 腫瘍放射線学講座にご協力いただき、全国でも数少ない頭頚部悪性腫瘍に対する重粒子線治療が可能です。
専門外来・特殊外来
<脳血管障害外来>

くも膜下出血、脳内出血、脳梗塞などあらゆる脳卒中救急患者を受け入れています。動脈瘤破裂によるくも膜下出血に対しては、患者さんの状態や動脈瘤の特徴に応じて、開頭クリッピング術と血管内コイル塞栓術のどちらの治療も行うことができます。脳梗塞の急性期治療には24時間体勢で血栓を溶かす薬(t-PA)を使用した治療やカテーテルで脳血管に詰まった血栓を取り除く手術が可能です。脳梗塞の再発予防も重要ですが、頚動脈内膜切除術(CEA)や頚動脈ステント(CAS)の治療経験が豊富です。また未破裂脳動脈留、脳動静脈奇形(AVM)、もやもや病などの治療に関しても幅広く相談に応じています。

診療担当医:大宅、藍原、山口、神徳、常岡、向田
<良性脳腫瘍外来>

良性脳腫瘍は手術治療が中心となります。しかし、特に脳深部(頭蓋底)に発生した場合は高い手術技術が要求されます。当院では、髄膜腫、下垂体腫瘍、聴神経腫瘍、頭蓋咽頭腫などの良性脳腫瘍の治療経験が豊富です。下垂体腫瘍に対しては内分泌糖尿病内科と連携して内分泌学的評価を行った後、内視鏡による経蝶形骨洞的手術を行います。聴神経腫瘍に対しては神経機能温存のためのモニタリング下での手術を行います。また、近隣の当科関連病院においてガンマナイフなどの定位放射線手術も可能です。

診療担当医:大宅、登坂、藍原、山口、向田
<悪性脳腫瘍外来>

神経膠腫(グリオーマ)を中心とする悪性脳腫瘍では通常のCTやMRIに加え、核医学検査(FDG-PET)や磁気共鳴画像(MRI、MRS、fMRI)などの診断機器を駆使して悪性度も含めた術前評価を行い、患者さんお一人お一人個別の治療戦略を立てています。手術の際は、術中に手足の麻痺が起こっていないかを確認したり(神経モニタリング)、全摘出を目指し術野と画像を融合させたり(ナビゲーションシステム)、術中蛍光診断をなどして、安全の確保と摘出率の向上の両立に努めています。術後は、病理診断に基づき必要な補助療法(化学療法、放射線療法)を受けていただくことができます。病理医、放射線治療医などとの綿密な連携により治療成績の向上に努めています。

診療担当医:堀口、中田、大澤
<機能的脳神経外科外来>

パーキンソン病、不随意運動、難治性疼痛、てんかんなどを対象とした診療を行っています。パーキンソン病では手足のふるえ、薬の効果減弱による動きの悪さ、薬の副作用による異常運動に対し、電極を用いた精緻な手術を行っています。脳卒中後などに生じた疼痛は薬が効きにくく治療が難しいですが、同様の手術や脳脊髄の電気刺激やガンマナイフを用いた治療を行います。薬物療法に抵抗性の難治性てんかんに対する治療に取り組んでいます。とりわけ、側頭葉てんかんに代表される局在関連てんかんには、ビデオ・脳波モニタリング、脳磁図、頭蓋内電極法などを駆使して解析の上、外科治療を行っています。三叉神経痛、顔面けいれんなどには神経血管減圧術を行っています。

診療担当医:大宅、藍原、板橋
<脊髄・脊椎疾患、末梢神経疾患外来>

手足の痺れや痛み、腰・背中の痛み、首の痛み、歩行障害、簡欠性跛行などの症状に対して幅広く相談に応じます。具体的には、脊髄変性疾患(頚椎・腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、後縦靱帯骨化症など)、脊髄腫瘍(悪性・良性)、脊髄血管障害(脊髄血管奇形、脊髄梗塞、出血など)、先天奇形(キアリ奇形など)、脊髄外傷などの脊髄・脊椎疾患全般に対して、外科的治療(顕微鏡手術)、保存的治療(内服治療や各種ブロックなど)を行っています。また、手根管症候群、足根管症候群などの末梢神経疾患も治療対象としています。

診療担当医:本多、島内
<小児脳神経外科外来>

小児脳神経外科(小児脳腫瘍、もやもや病などの脳血管疾患)の疾患に対応しています。

診療担当医:大宅、藍原、堀口、常岡

医師紹介

氏名 職名 専門分野・資格
大宅 宗一
OYA
Soichi
教授・科長

【専門分野】
頭蓋底腫瘍(髄膜腫、聴神経鞘腫、頭蓋咽頭腫ほか)
脳血管障害(動脈瘤、脳動静脈奇形、成人・小児もやもや病ほか)
神経血管減圧術(三叉神経痛、顔面けいれん)

【資格】
日本脳神経外科学会 脳神経外科専門医
日本脳卒中の外科学会 技術指導医
日本脳卒中学会認定 指導医
日本小児神経学会 認定医
日本性差医学・医療学会 認定医

登坂 雅彦
TOSAKA
Masahiko
准教授

【専門分野】
脳神経外科全般、特に良性腫瘍(下垂体・頭蓋底腫瘍)

【資格】
日本脳神経外科学会 脳神経外科専門医
日本神経内視鏡学会 技術認定医
日本内分泌学会 内分泌代謝科(脳神経外科)指導医
日本脳神経外科外傷学会 指導医
日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
日本脳卒中学会 脳卒中専門医

藍原 正憲
AIHARA
Masanori
講 師

【専門分野】
脳神経外科全般、特に脳血管障害、良性脳腫瘍

【資格】
日本脳神経外科学会 脳神経外科専門医
日本脳神経血管内治療学会 指導医
日本脳卒中の外科学会 技術指導医
日本脳卒中学会認定 指導医
日本神経内視鏡学会 技術認定医

堀口 桂志
HORIGUCHI
Keishi
病院講師

【専門分野】
脳神経外科全般、特に悪性脳腫瘍

【資格】
日本脳神経外科学会 脳神経外科専門医
日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
日本神経内視鏡学会 技術認定医

本多 文昭
HONDA
Fumiaki
病院講師

【専門分野】
脳神経外科全般、特に脊椎、脊髄疾患

【資格】
日本脳神経外科学会 脳神経外科専門医
日本脊髄外科学会 技術認定医
日本脊椎脊髄病学会・日本脊髄外科学会 脊椎脊髄外科専門医

山口  玲
YAMAGUCHI
Rei
助 教

【専門分野】
脳神経外科全般、特に脳血管障害、良性腫瘍(下垂体)

【資格】
日本脳神経外科学会 脳神経外科専門医
日本脳神経血管内治療学会 指導医
日本神経内視鏡学会 技術認定医
内分泌代謝科(脳神経外科)専門医
日本脳卒中の外科学会 技術指導医

神徳 亮介
SHINTOKU
Ryosuke
助 教

【専門分野】
脳神経外科全般、特に脳血管障害

【資格】
日本脳神経外科学会 脳神経外科専門医
日本脳神経血管内治療学会 脳神経血管内治療専門医
日本脳卒中学会認定 指導医
日本脳卒中の外科学会 技術認定医
日本神経内視鏡学会 技術認定医

中田  聡
NAKATA
Satoshi
助 教

【専門分野】
脳神経外科全般、特に悪性脳腫瘍

【資格】
日本脳神経外科学会 脳神経外科専門医
日本がん治療認定医機構 がん治療認定医

島内 寛也
SHIMAUCHI
Hiroya
助 教

【専門分野】
脳神経外科全般、特に脊椎・脊髄疾患

【資格】
日本脳神経外科学会 脳神経外科専門医
日本脊髄外科学会 技術指導医
日本脊椎脊髄病学会・日本脊髄外科学会 脊椎脊髄外科専門医
日本脳神経血管内治療学会 脳神経血管内治療専門医
日本脳卒中学会 脳卒中専門医

大澤  祥
OSAWA
Sho
助教(病院)

【専門分野】
脳神経外科全般、特に悪性脳腫瘍

【資格】
日本脳神経外科学会 脳神経外科専門医
日本脳神経血管内治療学会 脳神経血管内治療専門医
日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
日本神経内視鏡学会 技術認定医

常岡 明加
TSUNEOKA
Haruka
助教(病院)

【専門分野】
脳神経外科全般、特に小児脳神経外科、脳血管障害

【資格】
日本脳神経外科学会 脳神経外科専門医
日本脳神経血管内治療学会 脳神経血管内治療専門医

向田 直人
MUKADA
Naoto
助教(病院)

【専門分野】
脳神経外科全般、特に脳血管障害、神経内視鏡手術、間脳下垂体疾患、良性脳腫瘍

【資格】
日本脳神経外科学会 脳神経外科専門医
日本脳神経血管内治療学会 脳神経血管内治療専門医
日本神経内視鏡学会 技術認定医

柿沼 千夏
KAKINUMA
Tinatsu
医 員

【専門分野】
脳神経外科全般

【資格】
日本脳神経外科学会 脳神経外科専門医
日本脳神経血管内治療学会 脳神経血管内治療専門医

國富 朋子
KUNITOMI
Tomoko
医員
(シニアレジデント)

【専門分野】
脳神経外科全般

【資格】
日本脳神経外科学会 脳神経外科専門医

板橋悠太郎
ITABASHI
Yutaro
医員
(シニアレジデント)

【専門分野】
脳神経外科全般

【資格】
日本脳神経外科学会 脳神経外科専門医

中村 俊介
NAKAMURA
Shunsuke
医員
(大学院生)

【専門分野】
脳神経外科全般

栗原 健吾
KURIHARA
Kengo
医員
(シニアレジデント)

【専門分野】
脳神経外科全般

中里 公紀
NAKAZATO
Kouki
医員
(シニアレジデント)

【専門分野】
脳神経外科全般

横山  響
YOKOYAMA
Hibiki
医員
(シニアレジデント)

【専門分野】
脳神経外科全般

外来診療予定表

初診受付: 午前8時30分~10時30分まで(紹介状をお持ちください)
再診受付: 午前8時00分~11時00分まで(予約制)
ご不明な点は脳神経外科外来(TEL 027-220-8523 外来診療棟3階)までお問い合わせください。

脳神経外科外来
027-220-8523
初診再診 初診再診 初診再診
急患のみ 急患のみ
専門外来 専門外来 専門外来

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