透析用中心静脈カテーテル抜去後の意識障害の発生について
【】
この度、当院入院患者様において標記の事例が発生しましたことを報告申し上げます。
患者様並びにご家族の皆様には、今回このような事態を招いたことを深くお詫び申し上げます。
令和3年4月、60歳代の患者様に留置されていた透析用中心静脈カテーテルを座位の状態にて、担当医が抜去したところ、患者様の酸素飽和度と意識レベルが低下しました。現在、患者様の意識障害は徐々に回復しつつありますが、以前の容態までには至っておりません。
意識障害が発生した要因を医学的に分析し、改善策を検討するため、外部委員2名を含む医療事故調査専門委員会を開催し、カテーテル抜去に伴う空気塞栓症による意識障害の可能性が最も高いと結論付けられました。
同調査委員会の指摘を受け、再発防止のために次の対策を講じました。①中心静脈カテーテルに関する院内マニュアルを改訂し、抜去時の注意点、手順を追加しました。②中心静脈カテーテルの抜去についての注意事項を十分認識させるため、医療安全情報(日本医療機能評価機構発行)などの情報を活用して全職員対象の研修を実施し再度周知しました。また、今後も定期的な研修により繰り返し教育を行います。③リスクを伴う処置を行う際には、安全を高めるため事前に処置に当たるスタッフ間で手順やリスクについての情報を共有します。
本事例の重大さと患者様ご家族の強い思いを真摯に受け止め、再発防止の徹底並びに医療安全対策に努めてまいります。
本件の公表に関しましては、個人情報保護のために個人が特定できないように作成し、ご家族にも同意を得た上で、公表いたしておりますので、ご理解・ご配慮いただきたく存じます。
群馬大学医学部附属病院
病院長 齋藤 繁
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